彼女をマリアと呼ぶ日まで

独学ピアノ練習記

14日目 やっぱ曲作りはおもしろい

 今日もいつも通りエヴァドラゴンボールと練習をした。

 とりあえずした。

 まあ、前より弾けるようにはなったし、楽譜も割りかし見れるようになってきた。

 だが飽きる……同じ曲を、同じできないことを延々と繰り返す作業はおもしろくもありクソつまらなくもある。

 というわけで今日は残り時間すべてをコードの勉強に使った。

 そしてだいたいわかった。

 

 これがコードのすべてだ!(すべてじゃない)

 

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 これさえわかればこっちのもの。1時間経ったが試しに以前ギターで作った自作曲を弾いてみることにした。

 するとなるほど、この基本通りにやればだいたいの音は再現できる。

 出せない音もがむしゃらに鍵盤をずらしたり押す鍵盤を増やしたりするうちになんとか出せるようになり、おれが表現したかった音楽がどんどん出来上がっていく。

 気がつけば1時間経っていた。

 おもしろい。

 メチャメチャおもしろい。

 アニソンなんか弾いてる場合じゃない。これだよこれ。おれがやりたかったのはこれだよ。

 指が太くて不器用なおれはギターでは今日の音を再現できなかった。

 だがピアノならできた。まだ不慣れはあれど、求めていたものが明確に表現できた。

 ピアノを買ったのは正解だった。

 難しそう、めんどくさそうと、いつまでも手をつけなければ一生この感動を味わうことはできなかった。

 あの日の思いつきは大きな転機であった。

 久々に曲作りの愉しさを堪能したおれは、左手の心地よい痛みと共にもう寝ることにする。

 なんせ明日は6時起きなのだ。

 ああ、時が無限ならば……