彼女をマリアと呼ぶ日まで

独学ピアノ練習記

12日目 本来の目的

 今回の日記タイトルのもうひとつの候補は「逆に、飽きないと思う?」であった。

 うむ、飽きる。残酷な天使のテーゼも摩訶不思議アドベンチャーもライオンも好きだが、毎度ダラダラできもせず練習していればそりゃあ飽きる。

 ということで今日は途中からオリジナルの曲を弾いていた。

 そもそもおれがなぜピアノを覚えたかったか。

 それはアニソンを演奏したかったからじゃない。曲作りの幅を広げたかったからだ。

 考えてみればアニソンどころかすべての音楽を一曲も弾ける必要なんかない。

 おれが作りたい音楽の、おれの欲する音を出せればそれでいいのだ。

 そしてやはり、自分で音楽を作るのは愉しかった。

 

 おれがキーボードが欲しいと思ったきっかけはゴリラズのsome kind of natureであった。

 


Gorillaz - Some Kind Of Nature (With Lou Reed)

 

 ゴリラズは衝撃だった。それまでアニソンとフォークしか知らなかったおれにロックを教えてくれた。

 デーモン・アルバーンのピアノに心奪われた。

 それが純粋にピアノのすばらしさだけではなく、音と音、そしてボイスの組み合わせによるものとはすぐにわかった。

 おれはゴリラズを目指したくなった。それがピアノを志すきっかけであった。

 そう、おれは音楽を奏でたいのではない。音楽を創りたいんだ。

 

 ルー・リードのギターを聴きながら、まだ先は遠いんだと今一度思った。

 練習開始からまだ12日目。未だなにも見えず。